ニッケイ新聞 2009年7月29日付け
野党PSDB(民主社会党)のセルジオ・ゲーラ党首は二十八日、同党の法制専門家と会合し、どのような形でサルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)を上院倫理委員会で議員権剥奪へ追い込むか検討に入り同日、倫理委員会へ動議上程と同日付けG1サイトが報じた。ヴィルジリオ上議(PSDB)が既に、上院倫理委員会へ四通の告発状を提出したのが、結果として有利か疑問視している。倫理委員長が一件を却下と決めれば、四件同時に却下するからだ。PSDBは、戦略上一件毎に別告発を考えていた。
スプリシ上議(PT)は先週、個人的にルーラ大統領を訪ね、上院議長の即時休職が望ましいと表明した。同上議の意見は、PT多数派の意見を代表したもので、上院での不祥事の告発続発は憂慮すべき事態であると伝えた。
大統領は具申が確かに上議らの考えであり、政権の立場を考慮しての意見なのか言質を求めた。大統領は告発が事実か、新聞の告発攻勢に踊らされたものかを確かめ、事実であればサルネイ上院議長から倫理委員長に説明をさせるという。
しかし、上院議長の説明を待たず、PT上議の考えは、多数派が議長辞任で固まったようだ。ルーラ大統領を中心とする側近らは、上院議長の即時休職を促すメルカダンテ上議の要請書で検討を行った。
要請書の文脈では、ほとぼりが冷めるまでの単なる休職ではない。政府機構の各官職に対する尊厳を求めた。サルネイ問題が決着しないと、ベネズエラのメルコスル加入や岩塩層下油田の判断基準、イタイプ発電所のパラグアイ分の電力分与も解決しない有様だ。
サルネイ議長の盟友で倫理委員長を務めるパウロ・ドゥッケ上議(PMDB)の考えも一聞する必要がある。上院倫理委員会のメンバー十五人中十人は、サルネイ上議の息がかかっているというのも問題。倫理委員会は政治委員会で、法律委員会ではないのが慰めだ。