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サルネイ上院議長=PTがついに二分=代表の議長休職要請を却下

ニッケイ新聞 2009年7月29日付け

 ペトロブラスCPI(議会調査委員会)に連立与党PMDB(民主運動党)の協力は欠かせないものとして、ルーラ大統領は二十七日、上院与党リーダーのメルカダンテ上議(PT=労働者党)が提出した上院議長休職要請は、PTの立場を考慮していないと却下したことを二十八日付けエスタード紙が報じた。
 政府側代表として上議達と会ったモンテイロ憲政相は、議長休職要請は「一人か二人の上議の考え」と非難した。
 これに対し、フラヴィオ・アルンス上議らは、要請書の提出はPT多数派によるもので、党の総意は大統領とは路線を異にするとの姿勢を表明。「PMDBが震源の上院不詳事に対し、政府は本来、鎮静させる立場にある。それが議長は上院事務局長後任に孫娘の恋人を据える積りだ。重職の人事に公私混合は、由々しきこと」と訴えた。
 一方、ルーラ大統領による同要請書却下は、一部上議から来年の上議選挙が有利に運ぶと歓迎された。PT所属の上議十二人は、次期選挙でサルネイ議長の強力な支援を受けることになる。
 上議らにとって、連立与党PMDBの支援は誰にも一様ではないという。サルネイ不詳事に対し、PT上議十二人のうち八人は、サルネイ休職に賛成であった。しかし、大統領却下劇で事情は一変。だからといって野党へ走るものもいないようだ。
 政府のサルネイ支持は、ロウセフ政権の誕生にもつながる一枚岩と見なされる。そのため大統領は、連立党への心配りを忘れない。
 ベルゾイニPT党首は、PTをサルネイ路線で統一するという。サルネイ不詳事については、調べるが、サルネイを休職へ追い込むのは、PT政権で政変を演じるようなものと評した。しかし、それだけで丸く治まるようには見えないというのが、多くの見方だ。