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アンデス高峰で邦人遭難=ペルーのワスカラン山

ニッケイ新聞 2009年7月29日付け

 【リオデジャネイロ共同】ペルー北部のアンデス山脈にある同国最高峰ワスカラン山(標高六千七百六十八メートル)で二十五日、日本人登山家三井孝夫(みつい・たかお)さん(68)=東京都八王子市=とペルー人ガイド(52)の二人が行方不明になった。
 地元山岳ガイド協会などによる捜索隊は二十八日午前、遭難現場付近で二人の男性の遺体を発見、三井さんらの可能性もあるとみて身元の確認を急いでいる。
 捜索隊によると、現場近くにあった深さ約五十メートルのクラック(裂け目)の三十メートル地点で遺体は見つかった。捜索隊は同日午後にも現場に下りて収容作業を始める。
 三井さんは、共に行方不明となったペルー人ガイドと共同で二〇〇四年から同国アンカシュ州ワラス近郊で山荘を運営。毎年、数カ月間、ペルーに滞在している。
 同協会によると、二十五日午後十一時半(日本時間二十六日午後一時半)ごろ、標高約六千二百メートル地点で起きた雪崩に巻き込まれたという。当時、三井さんより南方のルートにいた別のガイドは雪崩の後、三井さんのヘッドランプが消えて見えなくなったと証言。現場の気温は氷点下二十五度と過酷な状況にあるという。
 ワスカラン山は首都リマの北約三百五十キロに位置し、南米最高峰のアコンカグア(六千九百六十メートル)に次ぐ第二の高峰。日本人による登頂も多く、同山を含むワスカラン国立公園は世界遺産に登録されている。