ニッケイ新聞 2009年7月28日付け
ホンダサウスアメリカ・リミターダ(峯川尚社長)は二十四日、四輪車の現地法人ホンダ・アウトモーベイス・ド・ブラジル社が小型乗用車「シティ」の生産・販売を始めたと発表した。同社によるブラジル国内での乗用車生産は三車種目。国内を始め、今年中に南米諸国でも販売を検討している。
六〇年代の二輪車輸出から始まったホンダの南米進出。現在、モト・ホンダ・アマゾニア社がマナウス工場で生産販売している二輪車は、ブラジルシェアー第一位の七三%と不動の地位を確立。四輪車は一九九二年輸入開始、九七年にサンパウロ州スマレー工場での現地生産販売を始めた。
九七年のシビック、二〇〇三年のフィットにつづいて生産ラインに加えられたのは、ブラジルで人気の高いセダン型「シティFFV(フレキシブル・フューエル・ビークル)」。ブラジル国内での乗用車生産は三車種目となる。
二十四日、サンパウロ市本社で行われた記者会見には、野沢カズオ前副社長、溝口功新副社長はじめ同社の役員が出席。国内のマスコミ関係者約十人が集まった。
新車の紹介があり、野沢前副社長は「オートバイに続き、ホンダの四輪車は国内、さらに南米に広がりを見せている。新技術を搭載し、よりニーズに対応したシティが広く受け入れられるだろう」と強気の姿勢をアピール。
溝口新副社長は、「シティ生産・販売開始という新たな挑戦の時期に副社長就任となり、大きな責任を感じる。同社の更なる発展に全力で取り組んでいく」と抱負を述べた。
現地生産開始にあたり、同社では一億八千万レアルを投資。八割を国内向けに生産する。〇九年は一万七千台の国内販売を計画。九月から隣国アルゼンチンなど南米国への輸出をはじめ、メキシコへの輸出も検討中だ。
シティは、九六年にタイで発売以来、世界九十一カ国で販売。三代目シティをベースに、ブラジルで普及しているフレックス燃料対応を施したブラジル仕様になっている。オートマチックとマニュアルがあり、価格は五万六千二百十レアルから七万千九十五レアル。