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日に13人の青少年殺害?=12年までに3万3千人以上=銃や麻薬が絡む所ほど危険

ニッケイ新聞 2009年7月24日付け

 ブラジルでは、二〇〇六年から一二年までに三万三五〇〇人以上、日に一三人の青少年が殺害されるとの衝撃的な報告を二十一日付サイトや二十二日付伯字紙が報じた。
 リオ州立大学(Uerj)研究班考案のIHA(一二歳の子供一〇〇〇人中、一九歳未満で殺される可能性のある人数を示す指数)による数字で、〇六年の一二~一八歳の青少年の死因を、人口一〇万人以上の市について分析して算定したもの。
 研究には、政府人権局や非政府団体のオブセルヴァトリオ・デ・ファヴェーラ、ユニセフも協力。一二歳児一〇〇〇人中、一九歳未満で殺されるのは全国平均二・〇三人。人口一〇万人以上の二六七市中、三四%のIHAは一以下だが、七%の二〇市は五以上だ。
 一二~一八歳の青少年の死因の四六%が殺人によるという実態は衝撃的だが、IHAの最高は、パラナ州フォス・ド・イグアスで九・七。麻薬や武器の密輸が頻繁に行われる地域であることが、数字にも表れている。
 また、九位にアラゴアス州都マセイオ、一〇位にペルナンブコ州都レシフェ(共にIHAは六・〇)が入っている他、二〇位までに、ミナス、エスピリトサント、ペルナンブコ、リオ各州の州都近郊都市が入っていることも注目されている。
 リオ市のIHAは、二一位の四・九だが、リオ州では、銃器を使った殺害が、他の道具による殺害の六倍も発生。ミナス州の四・二倍、サンパウロ州の三倍、全国の平均三・三倍と比べ、リオ州の銃器の使用度はかなり高い。
 一方、二〇〇一年以降殺人事件減少傾向にあるサンパウロ州では、人口一〇万人以上の七一市中、IHAが三を超えた市はなく、平均以下の五九市中、七市ではIHAが〇。州都のサンパウロ市も、全国で一五一位、州都としても二一位のIHA一・四だった。
 また、殺害される危険度を男女、肌の色別で見ると、男性は女性の約三倍、黒人は白人の約一二倍危険度が高いという。
 青少年の死因の二三%は事故、二五%は病気などの自然要因だが、幼少時の危険を潜り抜けた青少年が麻薬や武器を手にする機会を減らし、殺害の危険から守るための政策の不足をルーラ大統領も認めている様だ。