ニッケイ新聞 2009年7月24日付け
日本で日伯企業のコンサルティングをするセントラルトレード株式会社(愛知県名古屋)の知念セルジオ代表取締役が十六日、本紙を訪れた。在日ブラジル人コミュニティーでは最大規模のビジネス・サービス国際見本市「エキスポ・ビジネス」を開催する同社は、二〇〇一年に設立。コミュニティーと日本企業とのビジネス促進・交流や、日伯企業の進出を後押しする。
知念さん(42、三世)は一九九七年に渡日しコンサルタント業に携わっていたが、当時「各県のブラジル系企業やコミュニティーの横の繋がりが全く無かった」ことに着目し、起業に踏み切った。
社員は十人。社長自ら年に三、四回日伯を行き来し、ビジネスの架け橋になるべく、飛びまわる。
「距離、文化やビジネス手法の違いなど壁はあるが…」と前置きし、「八〇年代のブラジル経済混乱の印象をまだ引きずっている日本企業もあるが、今は違う」。
続けて、「同じBRICSでも、日本から近い中国には日系企業が四万社。ブラジルは遠いが、ビジネスチャンスがそこら中に転がっているし、日伯政府も注目している」と説明。
今回は、一〇年度「エキスポ・ビジネス」の参加呼びかけのため来伯した知念さん。今年は金融危機の影響を受けて参加企業が激減したものの、カサビサンパウロ市長が来日講演するなど、年々盛大になりつつある。
「より日伯間のビジネス交流を促進したい」と意気込みを語った。
金融危機がデカセギに与える影響に関しては、「三〇から四〇%のデカセギが失業中と聞くが、自動車部品生産工場などは少し動き出した。戻るのに時間はかかっても、首切りは進まないのでは」との見解を示した。