ニッケイ新聞 2009年7月22日付け
Ipea(応用経済研究院)は二十日、経済センサーと呼ばれる生産部門の六月の景況指数が、五月の七・七九から九・八二に上昇し、及び腰の挑戦ながら経済の再興に一縷の望みを投じたと発表したことを二十一日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。景況指数は、来る十二カ月に目標達成と予想される流通状態を示している。この予想は〇九年第2四半期の経済動向から算出したもので、昨年下半期から始まった恐慌を克服しつつあることを明示している。
景況指数は、商工業や農畜産、サービス、雇用などの生産部門に属する百十五の業界団体報告に基づいたもの。これら団体の年間取引高は、GDP(国内総生産)の八〇・一八%を占める。
Ipeaはこれら百十五団体に、ブラジル経済に関する財政状態や経常収支、経済動向、企業活力、社会世相など五つの見通しについて、二十四問からなる質問書を送って答えてもらった。
評価は、マイナス一〇〇からマイナス六〇を最悪。マイナス六〇からマイナス二〇を、底上げ。マイナス二〇からプラス二〇を、心配だけど挑戦。プラス二〇からプラス六〇を、自信回復。プラス六〇からプラス一〇〇を最高とする。
Ipeaのポッチマン院長によれば、年初の指数は、サービス部門を除いた全ての部門で不況との戦いであったことを示したが、六月は、各企業からの回答で、経済動向に動きが見え始めた。
指摘されたのは、為替の好転。ドル通貨が近日、五%から九%上がるという見通しであった。インフレは〇%から二・五%でおさまり、見通しは明るいと答えた。
企業活力は六月現在、四カ月連続で業績向上し、強気が芽生えてきた。需要の見通しは、来る十二カ月前向きと踏んでいる。企業の財政状態は、前回のマイナスからゼロへ好転と答えた。
六月時点でマイナスと出たのは、規模拡張と生産増強だけ。政府はこれをプラスに持って行くため、対策を検討中。
貧困と犯罪の質問では、雇用創出のための資金援助を政府当局に求めた。今後の見通しは、工業と農畜産への期待が大きくふくらみ、商業とサービス、勤労者については現状維持という。
現実として工業は少しずつ回復、農業は波乱含み。これは信用状態と気候で挽回可能と見ている。商業は確実に伸び、安定している。勤労者の雇用は、これ以上の悪化はないと見ている。