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伯覇権時代が戸口に=ブラデスコ調査部が発表

ニッケイ新聞 2009年7月22日付け

 ブラデスコの調査部長オッタヴィオ・バーロス氏は二十日、「歴史にも稀に見るブラジル覇権時代が、来る二十五年間に到来しうる」と予告したことを二十一日付けフォーリャ紙が報じた。
 「天下は奪うもの。現状維持で満足するのは勝手だが、意欲があるなら強く求めること。ブラジルのために備えられた恵みが、目の前にぶら下がっている。ブラジルの前に格好の波が、押し寄せている。波に乗るか、傍観して後悔するか」と同氏が叫ぶ。
 国際金融は投資先を求めて、危機後の新しいブラジルに注目している。十年後、二十年後のブラジルに関する調査の依頼が今、殺到している。中国に儲けるばかりでなく消費することも学べというなら、ブラジルに貯蓄することを学べというべきだと同氏は述べた。
 恐慌の爪痕は、国によって違う。すでに克服した国、まだ溺れてバタバタしている国もある。見方にもよるが、恐慌はなかった。流通量が減り、成長率がやや落ちただけ。銀行の資金管理が変わっただけで、世界は何も変わってない。
 経済覇権は米国から中国へ移り、中国が新しい牽引車として活躍する。ブラジルは、この列車に便乗すること。
 ブラジルの第2四半期決算を見ると、商業は回復。工業も、輸出と投資が伸び悩み、回復が遅れたが、下半期には自信を取り戻し、来年は中国の躍進とともに飛躍の年になると見ている。
 ブラジルの銀行システムは、進んでいることが金融危機で判明した。また、中国や東南アジアの活況がコモディティを助け、ブラジル経済に恩恵をもたらしている。
 ブラジル産業が、鉱物資源や農産物と幅の広いことは強みだ。民間企業の活力と民主主義が根付いて政情が安定していることも魅力。これだけマクロ的条件が揃うのは、奇跡だと同氏はいう。

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