ニッケイ新聞 2009年7月21日付け
バストス第五十回卵祭り、オムレツを販売する子供たちに目が止まった。文協日本語学校の生徒や元生徒たちだ。
相原貴余志先生は、長い客の列を前に一生懸命オムレツを焼く子供たちに目を細め、「売り上げは航空運賃に充てられる」と話す。
バストス市は、三重県熊野市と姉妹都市。三十五周年を迎えた去年から、同市へ研修生の派遣を始めた。日伯間の航空費は研修生負担だ。
第一回研修生の木村あゆみさんは、「学校を訪問するなど良い体験ができた。今後も研修制度を続けられれば」とサンパウロ市から手伝いに駆け付けた。
卵は、ダンボール箱三百六十個分を用意。慣れた様子で手際よくオムレツを作っていく。
皆の努力で誰かが日本へ。日本人が大事にしてきた互助精神が受け継がれている。彼らの焼くオムレツには夢と友情が詰まっている。 (裕)