ニッケイ新聞 2009年7月17日付け
【既報関連】サルネイ上院議長の孫がアガシエル・マイア前上院事務局長に、友人を月給二千七百レアルで上院に就職させることを依頼した疑惑に関して、アルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB=社会民主党)は十六日、同議長の関与を審理するよう上院倫理委員会に申請すると表明したことを同日付けG1サイトが報じた。同上議は「硬い岩もぬるま湯を注ぎ続ければ割れる」という。同件は上院議長の孫が、電話で内輪に就職の口添えを依頼したことが盗聴され、発覚したもの。
国会休会直前の十七日、申請書を来週に受理するよう倫理委員会へ提出。エスタード紙の報道によれば、連邦警察が上院議長の子息を追及していた「肥えた牛」作戦による盗聴記録から、孫の同上議への電話就職依頼と禁じられた縁故知己採用の事実が発覚した。
〇八年三月と四月の同盗聴記録には、サルネイ上院議長とマイア前局長との上院における数々の違法行為に関する対話が収録された。
孫の友人は同議長の側近であった兄、ベルナルド・カヴァウカンテ氏の後任に推薦するものであった。これら同議長の周辺は、サルネイ一族の専用職であったようだ。孫による友人の就職依頼には、同議長自身が電話口に出て縁故採用の要領まで指導した。
友人は上院医務課へ就職。エスタード紙の記者に就職の経緯が上院議長の推薦であり、上院人事部では同議長のお墨付きが公然の秘密となっていることを言明した。
サルネイ上院議長は、この十四年間に上院で正式に審議されることなく、秘密裡に決定されてきた縁故採用などの六百六十三項目を無効化する宣言を出したが、その報告書を三十日以内に期限厳守で出すことを命じた。それと共に、これらの項目によって国庫から支出された資金を全て返還するように命じた。上院議長の同指示は十三日、官報でも公布された。
十三日付け官報では、上院規定に触れる一切の便宜を検察庁の要請により無効にするとしている。エスタード紙が報じた公然の秘密や違法人事異動と採用については、調査委員会を設けると同議長がいう。
十六日付け官報は、六百六十三法案の無効化の詳事を調査委員会へ審理を要請する指令の公布。調査委員会には、アロウド・タジラ現事務局長を委員長に任命。国庫に損害をもたらした資金運用は、責任者に賠償を命じた。