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高まるブラジルへの期待=ロエット米大教授が寄稿

ニッケイ新聞 2009年7月17日付け

 米ジョンス・ホプキンス大学のリョウダン・ロエット教授は六月二十五日、「金融危機後のブラジル」と題する論説をヴァロール紙に寄稿し、次のように述べた。
 IMF(国際通貨基金)やIBRD(別名=世銀)、国連などは、ブラジルなどのBRICsに道を明け活躍の場を提供し、その影響を生かすべきだとした。
 ブラジルの均衡財政と安定経済、アグリビジネスでの牽引力、国内消費市場の活力が内外企業へ及ぼす結果は、ブラジルの重要性を世界へ向けて示威している。
 外交政策は、ブラジルの切り札といえる。アモリン外相は、経験豊かな稀に見る模範的外交官で、国際会議での発言は的を射ている。先進国へ媚びを売るような政策には、一線を画す。
 対欧米外交は重要であるとしながらも、将来は多国間外交が決定的になると同相は見ている。ブラジルは国際舞台の主役にはならないが、重要な脇役になるという。
 シナリオは未完成だが二〇一〇年、BRICsの出る幕が多い。特に環境など、ブラジル抜きでは語れない。
 ブラジルの活躍を妨げているのは、教育と技術革新への投資不足だ。その足手まといとなっているのが税制。基幹分野への投資不足も、原因は税制にあるようだ。
 二〇一〇年の新大統領に誰が選出されても、現経済路線に割れ目を作ってはいけない。これはカルドーゾ前政権時代から築かれたものだ。
 ブラジルは、グローバルな環境やエネルギー、食糧、金融問題での掛け替えのない重要なメンバーであって、自分だけ良ければというものではないと訴えた。

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