ニッケイ新聞 2009年7月9日付け
「今年は無理。来年は参加します」――。今月十七日から開催される県連主催の「日本祭り」への不参加を決めた長崎県人会役員の言葉だ。メンバー高齢化のため、婦人会が今年二月に解散したことも理由の一つ。だが、本紙も報道してきた元会計担当理事による着服問題で「それどころではない」というのが実情だろう▼前理事は、インターネット上で口座を操作し、約十三万レアルを横領したとされ、帳簿も会に未返却。問題発覚時、残金はわずか一千レアル、血も涙もない所業だろう。任期中に一度も監査会を開かず、いわれるままにサインしていた前会長の二人から、「県人会に何の連絡もない」(野口会長)▼総会では、会館を貸し出すことが承認された。借り手が出ればすぐにでも貸す考えだが、野口氏を会長とする登記がまだできておらず、賃貸契約を結べない。仄聞だが、母県では補助金の返還や打ち切りまで示唆しているともいうから、現執行部は頭を悩ませる▼同県人会は、今月十二日にチャンポン祭りを開く。運営費に充てる収益を見込むが、この機会に会員の連携を深めることも目的としているようだ。調理のノウハウを元婦人会メンバーが伝え、元県費研修生や青年部が学ぶ。自らも調理に携わるという大河正夫副会長は「全員で盛り上げ、〃新生長崎県人会〃を目指したい」と話す。八月末に再度開くことで、さらなる結びつきを図るとも▼当日は、リベルダーデの七夕祭り、援協チャリティーショーなどの催しが重なり、前売り券の売れ行きが不調とか。お時間のある方は、本格派チャンポンはいかがだろうか。 (剛)