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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年7月7日付け

 「政治とカネ」―。先だって左翼系の韓国大統領として北朝鮮との友好に努めた盧武鉉氏が、実業家から金銭を受け取ったの疑いを持たれ検察から聴取されたのを苦にし自殺した。元々、あの国では政界と不正なカネの結びつきが強いけれども、日本も他人事として笑うわけにはいかない。明治時代には軍部の大汚職があり、戦後にも造船疑獄やロッキード事件もある▼あの民主党の小沢一郎前代表は、田中角栄、竹下登、金丸信氏らの薫陶を受け政治的地位を確保してきた人物であり、カネについても極めて灰色に近い。師匠筋にあたる3人はいずれも不純な金銭の授受があったの疑いが濃い。西松建設からの献金が検察に追求され小沢氏の公設秘書が起訴され、旗色は決して良好とはいえない▼それでも、小沢氏は検察権力を批判していたが国民の退陣論には勝てず代表辞任に追い込まれた。その民主党の代表になった鳩山由紀夫氏までが、政治資金規正法に偽装献金を記載しマスコミから集中非難を浴びている。鳩山氏は、公認秘書の独断であって自分は何にも知らなかったと弁明しているが、真実は謎に包まれたままである▼この2人の代表が金銭疑惑の的になっているのをもっと重く見たい。偽装記載には、もう死んでしまった故人からも献金もあるし約90人の献金者名が書かれているが、すべての資金は鳩山由紀夫氏の個人財産から移したものであり、真に不可解な事務処理としか言いようがない。鳩山代表は釈明会見をしたが、あの説明で納得する国民は一人もいないのではないか。(遯)