ニッケイ新聞 2009年7月3日付け
三重県で行われる全国高等学校総合文化祭への参加まであと一カ月。ブラジルから初の参加となるサンパウロ州立校に通う高校生は、十六人。週二時間の簡単な会話から平仮名、カタカナの勉強にも身が入っている様子。教師の上田ルシアーナさんは、「貧しくてサンパウロ州すら出たこともない子がほとんど。初めての旅行が日本へだなんて、みんな楽しみにしています。ますます日本を好きになって帰ってきてくれるでしょうね」と興奮気味。これを機に今後も続いて欲しい交流だ。
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今年二月、『二宮金次郎像、ブラジルに渡る』プロジェクトによって母県報徳博物館から神奈川県人会に送られた「二宮金次郎像」。銅像は、横浜市の保育園内に設置されていたが、廃園のため同館に寄贈されたもの。六月二十三日、同県人会がお返しに贈ったイペーが、尊徳像が建っていた廃園跡に植樹、記念碑が建てられた。同県タウンニュースによれば、現在六浦白梅公園として市民憩の場。除幕式には、元園児の保護者も集まり、同窓会の雰囲気で行なわれたとか。はるばる海を渡った尊徳も喜んでいることだろう。
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岐阜県関市の国際交流協会によって行われた第三回国際交流作文コンクールで六月、日系児童遠藤マテウス君(11)の作品が児童生徒の部で最優秀賞に。経済危機に直面した家族の不安や、自身の微妙な心境を描いた点が高く評価されたよう。作文の中で「ブラジルに帰ることになっても、大きくなったら関市に戻ってきたい」と宣言。