ニッケイ新聞 2009年7月1日付け
政府は六月二十九日、沈滞気味の経済を下半期から活性化させるための包括的対策を打ち出したと三十日付けエスタード紙が報じた。
この包括的対策には、新車などへの減税策継続ばかりでなく、資本財や特殊財の数分野へ、資金コストの削減を図ることも織り込まれた。
資材の購入や輸出に対し社会開発銀行(BNDES)は、インフレを差し引くとゼロ金利となる年利四・五%の超低利で融資を行う意向。
他にIPI(工業税)課税の一時停止も検討する。これらの免税を合算すると年末までに、国庫は三十三億レアルの減収と見積られる。そのためBNDESは、融資全般にコストの削減を余儀なくされる。
これまでBNDESが長期の融資に課していた金利六・二五%は、六%へ削減する。特定分野への金利引き下げによるBNDESの減収は、分野別の金利調整で穴埋めする計画のようだ。
同対策の発表に際しマンテガ財務相は、最大目標は二〇一〇年の経済成長率(GDP)四・五%、二〇一一年五%の達成にあるとのべた。これが経済活性化包括案の目的だという。
BNDESのルシアノ・コウチニョ総裁は、同対策発表を機に昨年末から落ち込んでいる、産業界の投資機運を高めたいとする。限定期間にしか許されないゼロ金利は、下半期への渡りだ。急いで工作機械を購入し、下半期の挽回に備えよと激励した。
経済の回復を保証するため自動車や建材、生活家電品に付与したIPI減税を、継続する意向を表明した。自動車への減税は、経済が金融危機以前の状態への復帰が予想される来年初期に、従来の水準へ戻すようだ。
戦略部門に対する減税措置は、激減した自動車需要を回復したことから一定の効果があった。経営者と労組が提携して、雇用は最低限維持した。同対策には、いまだ銀行融資が受けられない小零細企業向け二つのファンド設置もある。