ニッケイ新聞 2009年7月1日付け
日本の出入国行政について有識者の意見を聞く「出入国管理政策懇談会」という法務大臣の私的懇談会がある。そこでの議論は国の基本計画策定にも影響を与える。
六月二十二日の同懇談会で、日系人受け入れが議題に上った。あくまで出席者の意見とはいえ、デカセギ現象の根幹に関わる意見が出ている。
例えば、在日日系人を「将来日本に残る人たちと考えるのか、母国に帰国する人たちと考えるのか、整理する必要があるのでは」、受入れ要件に「独立生計要件が重要では」といったものだ。一方で子弟教育への努力を求める声、日系人の失業問題に雇用企業側の負担を求める意見など、現状に即したものもある。
政府の帰国支援を受けた日系人の再入国制限は原則三年とされた。そして今、デカセギ・在日コミュニティの将来を左右する議論が進んでいるようだ。 (ま)