茶道最大の流派である裏千家が中南米布教60周年を迎えたことを記念し、本部組織「茶道裏千家淡交会」(千玄室会長)が「中南米大会・記念茶会」を8月31日にサンパウロ市内ホテルで盛大に開催した。ブラジルはじめ中南米諸国、北米、欧州、日本等から500人以上が参加し、アマゾン席、中南米席など多彩な茶席を堪能した。
1954年、サンパウロ市四百年祭の折に当地を訪れた千玄室第15代前家元が、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、ペルーに支部を誕生させたのが中南米における普及の始まり。茶道裏千家では「礼に始まり礼に終わるのが茶の精神。一杯の茶から平和が生まれる」との千玄室氏の考えで、第二次世界大戦後から海外普及に力を入れている。現在は35カ国107カ所に拠点がある。
45年ぶりの来伯となった同氏は、ブラジル席やアマゾン席、中南米席、北米総局席など地域の特性を生かしてアレンジされた各茶席を順に巡り、各地から訪れた参加者によるもてなしを楽しんだ。民族の壁を超えた茶道の広がりを「大変すばらしい。各国の集まりも見てきたけど、これほど民族が融和している国はほかにない」と絶賛した。
学校茶道席では、松柏・大志万学院、大本教、サンパウロ総合大学、MOAの学生らが供茶。千玄室氏と満面の笑みで記念撮影する生徒たちを見ながら、同学院の斉藤上田永実副校長は「大宗匠に色々お優しい言葉をかけて頂き、子どもたちにとって一生に一度の機会になった。本当に良い思い出になった」と喜んだ。
バストスから訪れた丸山ルジア・ヨシエさん(72、二世)はアマゾン席を体験後、「ひょうたんを切って作った器や、ブラジル独特のお菓子が珍しかった。とてもアマゾンらしくて良い」と満足そうに語った。
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