ニッケイ新聞 2009年6月27日付け
アルゼンチンは二十五日、二〇一一年の亜大統領選挙の前哨戦ともいえる二十八日の国会議員選挙キャンペーンを終了と二十六日付けエスタード紙が報じた。
キルチネル大統領夫妻は「ブラジルに追いつけ、追い越せ」を旗印にブラジル方式導入をアピールした。野党は公社の民営化を訴え、与党は一連の公営化移行を画策。ブラジル方式とは、低所得層の票を取り込む抱きこみのようだ。
大票田とされる首都など四県で、野党が全票数の六八・五%を占め、与党は苦戦が予想される。政府が評判を落としたのは、農業生産者と対決したのが原因らしい。
アルゼンチンの政情不安が表面化するにつれ、国民のドル購入に拍車がかかり「選挙ドル」の新語さえ生まれた。同国経済の不確定要因が増幅する度、議会では与党議席の落ち込みが危惧されている。