ニッケイ新聞 2009年6月26日付け
Psol(自由社会党)執行部は二十五日、サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)を告発することを討議する全国党会議を開催したと同日付けG1サイトが報じた。会議後の記者会見でエロイザ・エレーナ党首は、上院議長にまつわる一連の不祥事に対して、告発状を上院倫理委員会へ上程するとの意向を明らかにした。先ず上院執行部が同上程内容を検討。受理の如何に関らず告発状は審理され、その結果次第では上院倫理委員会へまわる。議員倫理法が昨年改正されたため倫理委員会へ告発状が回ると、同委員会の審理中、議長は一時離任を余儀なくされる。
Psolの告発状は上院不祥事へ、さらに一石を投じる。同議長の就任以来、既に事務局長や人事部長など四人が更迭された。最初に更迭されたのは、同議長の推薦で事務局長に就任して十四年になるアガシエル・マイア氏であった。
上院不祥事は、違法時間外勤務の支払いや定員以上の上院職員採用、航空券の乱費、暗黙の了解になる数々の違法行為など、広く一般国民の知るところとなった。
サルネイ上院議長は「これら不祥事は上院の問題であって自分に関係ない」と声明を発表したが、身内の違法行為が次々明るみに出たことで、領袖サルネイの神通力が試されそうだ。
上院議長の一族にまつわる違法行為の一部は、同議長の孫ジョゼ・アドリアノ・サルネイ容疑者の供託ローンで連邦警察の照準にある。
ローン・システムは、六つの銀行から上院議長の孫という触れ込みで融資を取り付け、議会職員に貸し付けるサラ金だ。それは金額で、五百万レアルを動かしていた。連警は、公金横領と職権乱用が絡んだと見ている。
同議長の長男ゼキニャ・サルネイ容疑者は、人材会社の名で金貸し業を営み、大手銀行の資金を自由に回していた。どちらも営業所在地を持たない金融業だ。
背後に上院議長がおり、借り手が議会職員であることで銀行はローリスク・ローンと見て、超低利融資を行った。この種のローンは、上院だけで十の銀行から十二億レアルも貸し出された。
サルネイ王国のすそ野は広い。この種の金融業は、議会職員の内職として首都では珍しくない。上院職員八千人と定年退職で年金生活をする元職員も数えると、その関係者はおびただしい。支払いは給料日に差し引いてもらうので、取り損なうことはない。