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上院不祥事=局長ら2人を更迭決定=サルネイ院政はまだ続く?=後任人事にも介入か=「議長は清掃夫ではない」

ニッケイ新聞 2009年6月25日付け

 【既報関連】連立与党と野党の上議らは二十四日、不祥事に対する上院議長の対応が生ぬるいとして議長に辞任を求めたと二十四日付けフォーリャ紙が報じた。シモン・ペードロ上議(PMDB=民主運動党)とデモステネス・トーレス上議(DEM=民主党)は検察庁が、不祥事の事実解明を行うことを要求。議長選出の際、サルネイ上議に一票を投じたチオン・ヴィアーナ上議(PT=労働者党)は、違法と知りながら身内の就職斡旋や違法行為を看過したことで、サルネイ元大統領は上院議長として留任する資格がないと声明を発表した。

 サルネイ上院議長は二十三日、上議らの最後通牒に応え、アレシャンドレ・ガジネオ上院事務局長とラルフ・カンポス人事部長の二人を不祥事の責任者として更迭し、自分は虎口を突破したようだ。
 上院における不正の構造は、サルネイ上議推薦のアガシエル・マイア元事務局長の立案によるもので、今日まで悪習は引き継がれた。後任は、PMDB(民主運動党)推薦のアロウド・タジラ氏とDEM(民主党)推薦のドリス・ペイショット氏が就任する。
 人事交替劇は透明性を高める筈だが、これまでの腐れ縁に変化はない。後任の二人は、サルネイ派の面々で議長の首を保つ使命が課されている。臭いものに蓋をすることになりそうだ。
 ペドロ・シモン上議(PMDB)は、議長の休暇案を再申請。当のクリストヴォン・ブアルケ上議(PDT=民主労働党)は、休暇でなく辞任が好ましいという。
 アルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB=民主社会党)の綱紀粛正要求に対し、サルネイ議長は二十三日、「私は多数の上議推薦により、上院議事のため議長就任を承ったのであり、上院の清掃夫に雇われたのではない」と返答した。
 サルネイ議長に対する圧力は、下郎の首を差し出して解決した。これで議長の政治的立場は安泰なのかは、まだ疑問だ。後任二人の就任に、党首や上院執行部への打診も了承もない。上院議長の番頭エラクリット・フォルテ上議(DEM)の独断専行で行われた。
 他にも多数の後任推薦はあったが、議長判断で退けられたようだ。ヴィルジリオ上議とメルカダンテ上議(PT=労働者党)は元局長の完全追放を試みたが、審理中の身だから上院への立ち入り禁止だけに留まった。
 十四年間も在任した元局長は、全上議の尻尾を握っている。上院は事務局長の就任が議会の承認を要し任期を二年、最高四年とする法令を上程する。不適任であれば、議会が解雇を表決する。