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OECD=ガラス張り入札を通達=権益局が行政指導=カルテルと反トラスト防止=落札システムの見直しへ

ニッケイ新聞 2009年6月24日付け

 法務省権益局(SDE)は二十二日、公共工事の入札参加企業に対し、提示額は独自価格であって入札前後に他社と一切の談合をしなかったと宣言させることを義務づける意向と二十三日付けヴァロール紙が報じた。大型工事はもちろん小型工事も、入札業者が他社と事前または事後清算を行わないよう注意する。これはOECD(経済開発協力機構)の通達だ。マデイラ川発電所入札も、三十年間にわたって消費者が支払う百六十四億レアルに上乗せがないよう監視する。

 発電所の建設入札は、カマルゴ・コレーアやオデブレヒトを中心とする大型ゼネコンの企業連合体によって競われる。法務省権益局は、大企業が最高額をキロワット当り百二十二レアルの三五・四%割引で挑むのが公正明大な価格であるとこれまで思っていた。
 入札企業間で、談合を行うことを政府は極力忌避している。談合がないことを保証する念書を各入札企業から提出させ、法務省は事後に備える。各入札企業は念書に署名したら、Eメールも含め一切の企業間連絡を禁じる。違反が発覚したら、偽証罪で訴え入札資格を剥奪する。
 法務省権益局によれば、これはOECD(経済開発協力機構)が公共事業の入札にこの手続を踏むことを義務付けた通達という。米国ではすでに広範囲に行われ、企業間のカルテルを取締っている。談合が確認されると、公共事業から追放される措置を受ける。
 ブラジルではまだ企業間談合の事実は発覚していない。談合防止システムが機能するため、密告制度も法令化する。カルテル参加企業は鉄の掟で結束するが、カルテルから締め出された弱小企業の造反を期待する。
 OECDの注文は、大型公共事業の入札に限らない。大小の公共入札に念書制度を導入し、ガラス張り入札システムを確立せよという要求だ。
 権益局は全国を五区域に分け、各区域の入札管理者の指導を行う。法務省の反トラスト技官が二十二日、レシッフェへ赴き政府機関の各課管理者に入札要綱「公共事業における共謀罪防止の指導書」を配布した。
 政府の地域機関は、癒着関係が生じ易い。入札企業があらゆる方法で入札管理者から情報漏洩を得るため、私生活に侵入し家族ぐるみの交際を行う。権益局は、入札管理者の家族と私生活も監視することになりそうだ。