ニッケイ新聞 2009年6月23日付け
ルーラ大統領は二十二日、北伯地域の州知事や四十三市の市長と法定アマゾンの森林保護協定を締結する意向を明らかにしたと同日付けグローボ・サイトが報じた。四十三市は森林伐採が最も顕著な市郡で、林業と農業を抱き合わせた多角農業を指導する。大統領は、特に小農へ毎月百レアルを支払って植林を奨励する考えを示した。
農地所有は三年間に、法定アマゾンにおける三十万の物件に農地合法化を行う。環境保護はアルコ・ヴェルデ(緑の弧)作戦と命名し、森林を伐採しないで作付けをする営農方式を指導する。
政府は農家と合弁契約を結び、行動指針を設定する。大統領は森林伐採者を犯罪者扱いしないが、それが環境保全に逆行するものであることを常識として諭す。
さらに大統領は、暫定令四五八号で、法定アマゾンに二〇〇四年十二月一日以前から居住する千五百ヘクタール以下の地主に、競売手続きを経ずに農地を譲渡する意向を明らかにした。
同暫定令は六月に議会承認されたもので、大統領は六月二十五日までに全面裁可または部分裁可の可否を決める。同暫定令は、大地主の寡占と大規模な森林伐採を招くとして部分的に訂正されると予想されている。
小農との合弁契約の詳細は二十二日、「大統領とコーヒー・タイム」の番組で発表された。契約に関する行動指針と政府と州政府、市の業務管理について説明。アマゾン熱帯雨林再生の意義について訓告する。
大統領によれば、小農自身が政府の財政援助で自分の農地に植林し法定アマゾンを再生させる。農業生産者は、有効な多角的な農地利用により材木生産と農産物生産を両立させる。植林面積以上の伐採は行わない。
同アルコ・ヴェルデ(緑の弧)は、森林伐採を禁じ違反者を罰するのではなく、合法的に農地を取得し生産と緑化を両立させる国策だという。
なお、ミンク環境相は二十日付けエスタード紙で、法定アマゾン内の荒廃農地に植林する小農家に対し、「ボウサ・ヴェルデ」を月百レアル支給する方針を打ち出しており、ルーラ大統領の発表はこれを受けたものの様だ。