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上院事務局=三重隠蔽工作の実体究明=伏魔殿解明に迫る=局長と人事部長が陣頭指揮=パンドラの箱が開いた?

ニッケイ新聞 2009年6月20日付け

 上院事務局の隠蔽工作解明に挑む調査委員会は十八日、超極秘と極秘、丸秘と三重の秘密類別システムが事務局にあったことを明らかにしたと十九日付けエスタード紙が報じた。超極秘は、事務局長扱いで上議有力者との癒着で外部に漏れることはない。極秘は上院事務局の帝王、人事部長が指揮する違法行為。ジョルナル・ダ・タルデ紙八日付けでは、過去十年間における上議有力者の友人や親族の採用が焦点とされ、超極秘扱いで不要な役職を捏造して高給を支払っていた実態の一部が報道されている。
 調査委員会によって判明しただけで六百五十件とされるが、実際は一千件以上あると見られる。これに関する人事関係の書類は、事務局長室から外へ出ることは一切ないし、コンピューターにもインプットしない。
 多くの有力上議に便宜を図り、情報漏洩には神経を尖らせていた。サルネイ上院議長の潔白宣言とは裏腹に十九日までで、同議長の一族九人の縁故採用が判明している。公務員採用は局長から人事部長へ伝達され、官報で公示する。
 他に判明した超極秘事項は、アガシエル前局長が上議名義で、終身医療の特権を取得し書類を隠蔽。上議名義で公文書を偽造し、違法手段で終身医療の特権を得た。事務局官僚は上議ではない。その上、当時の上院執行部の署名を貰った。
 調査委員会がパンドラの箱を開いたことで、新たな事実が次々に判明している。事務局長と上議は、持ちつ持たれつの仲であった。
 これまで事務局長から人事部長、そして官報で公示する広報部長へと書類が回り、最終的に公示するものと、機密書庫行きに広報部長が仕分けをしていた。
 事務局長と人事部長は、自分の親族や上議の友人に就職斡旋から給与の査定を意のままに行った。遥か以前に採用し長い間隠していた事実を、調査委員会に指摘されて公示する例が多い。
 全伯司牧協会(CNBB)は十八日、上院事務局で罷り通っていた隠蔽工作で、ブラジルの民主政治が危機にあると声明を発表した。上議や政府高官の不正行為は、社会格差を深め社会不安を増幅していると訴えた。