ニッケイ新聞 2009年6月20日付け
ジョゼ・ジェノイーノ下議(PT=労働者党)は十八日、ルーラ大統領の第三次政権続投を可能とする連邦令補足案とは反対の、続投否認の見解書を法制委員会へ提出と十九日付けエスタード紙が報じた。連邦令補足案が可決されると、ブラジルの民主政治は損なわれるから第三次政権を棄却せよと訴えた。
政権の現スタッフがそのまま居座れる連邦令改訂を咎める同見解書は、PTの生い立ちから苦楽を共にしてきた同下議の厳しい煉言と見られている。綱紀粛正のために、政権交代を基本とする共和制精神を順守すべきだというのだ。
民主主義とは、確かな規律と不確かな結果によって成り立つ。第三次政権は、もう一回の連続で半永久政権につながる。共和制精神に抵触した政権が、敗北を期した過去の事実を肝に銘じるべきであると諭した。
ルーラ大統領自身も続投には、関心が薄いようだ。第三次政権で騒ぐと、ようやく支持率調査で動きが見えてきたロウセフ官房長官の選挙運動にも支障をきたす。続投が話題になったのは、官房長官の病気が表面化したときだけであった。
テメル下院議長(PMDB=民主運動党)は、同下議の見解書を評価した。議長としては、法制委員会で最終的に結論を下して欲しいと述べた。連立党の意見も、ほぼ同じようだ。
同下議の見解書は下院の法制委員会に正式に受け入れられており、十五日以内に委員会審議にふされる。同見解書に合意の署名をした下議は百七十一人で、必要数に少し足りない。一方、ジャクソン・バレット下議(PMDB)の連邦令補足案に署名した下議は百七十六人。必要数を五人分超過した。
同下議の見解書を下院で取り上げ表決に付すかは、テメル議長と議会リーダーが決める。法制委員会では、ほぼ通過の見込み。その後、特別委員会で審議され、十月三日までに公布される。