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アフリカ=資源開発に挑戦か=伯産開相と使節が訪問=特別な連帯意識深める=インフラ整備に協力へ

ニッケイ新聞 2009年6月16日付け

 ミゲル・ジョルジェ産業開発相は、経済使節団を引率してアフリカのガーナとセネガル、ナイジェリア、ギニアなどサハラ以南諸国訪問から帰国した十三日、同大陸は「原油や鉱物資源など戦略物資の豊富な土地であるが、道路網と水力発電所が不在のためブラジル企業の活躍が期待される場所である」と述べたことを十五日付けアジェンシア・ブラジルが報じた。同相は十月に、今年三回目となるアフリカ再訪を予定しており、それまでに、雇用と所得の創出につながる持続可能な経済開発の立案を急ぐよう、財界に呼びかけた。

 アフリカはブラジルと歴史的つながりばかりでない。金融危機で損害の少なかったアフリカは人口十億人を擁し、ブラジルが進出を狙う大市場となっている。
 帰途の途中レシッフェ空港に立ち寄った同相は、アジェンシア・ブラジルの取材に応じ、今回のアフリカ訪問の成果を次のように述べた。
 今回、八十五人のブラジル人事業家が経済的関係を深め、中には契約の締結にもこぎ付けた者もいた。ブラジル製品のアフリカ配給業者も手配し、販売ルートの確立も行った。
 「今回訪問の主な目的は、ブラジル産品の売り込みと団員がアフリカの経済人に会い、通商関係を結ぶことで、これまで見えなかった部分も見え、アフリカ貿易の未来図を描くことにあった」と同相は述べた。
 一行は各地で歓迎を受けた。売り込みばかりでなく人材養成についても話ができた。これは、アフリカが特にブラジルへ関心を抱くポイントだ。アフリカ諸国は、ブラジルに対して先進国とは異なる見方をしている。
 アフリカ諸国はブラジルを信用し、先進国に対するような疑心暗鬼はない。ブラジルはアフリカに対し連帯意識を持つことが、認められたようだ。ブラジルは、人種的にもアフリカの一部と見られているらしい。
 ブラジルはアフリカ諸国より高い生活水準を持っている。それが、アフリカの一般市民にとって羨望の的となっており、ブラジルのようになりたいとの願望が強く、ブラジルもそれに協力したいと考えている。
 ブラジルとアフリカの間に横たわる問題は、クレジットや支払いの保証など行政上のことではなく、アフリカ自身に資金力がないことだ。アフリカ諸国は、外貨準備高が少ない。資金は商品だ。
 資金がなければ、商品は動かない。金融危機に直面し流通量枯渇に見舞われた企業の窮状が、現在のアフリカ。ブラジル企業は、社会開発銀行(BNDES)によって救われたが、「アフリカにない」と同相はいう。大陸を越えた相補関係構築への模索が始まったようだ。