ニッケイ新聞 2009年6月9日付け
国家配給公社(Conab)は八日、〇八/〇九年の大豆収穫予想を、五月の五千七百六十万トンから五千七百十万トンへ下方修正したことを発表と同日付けロイター・オンラインが報じた。同公社はトウモロコシの収穫予想も、五千百四十万トンから四千九百九十万トンへ下方修正。原因は南伯地方の干ばつと北東伯地方の水害のためとしている。天候不順の影響を受けながらも、「ブラジル史上二番目の収穫高を予想している」とワグネル・ロッシ総裁が発表した。
大豆の収穫とトウモロコシの夏作収穫は、ほぼ終りつつある。同公社の穀類収穫見積りは、過去最高の前年度収穫一億四千四百十一万トンから六・九%少ない一億三千四百十五万トンという。
ブラジルは〇七年/〇八年、大豆とトウモロコシで過去最高の六千万トンと五千八百六十万トンをそれぞれ収穫。トウモロコシの主な生産地は、マット・グロッソ州とパラナ州で目下収穫中。パラナ州の場合は、降雨不足の影響を受けた。
トウモロコシの国内生産は、三九・八九%が南伯。同地域は干ばつの影響で、一〇・二%の減収見込みだ。
中央西部の〇八/〇九年度の穀類収穫予想は、四千八百四万トン。昨年同期比四・八%減だ。同公社の十四種穀類のうち、増収は米だけ。穀類は八〇%ほど収穫が終わり、千二百七十四万トンの収穫で記録更新した。
ブラジルの小麦栽培は、まだ発展途上にある。収穫予想は五百六十万トン、昨年は五百五十万トンであった。中央南部は、順調な降雨で夏作は全般に豊作であった。
冬作には新しい主役として小麦が登場し、中央南部は植付け準備に忙しい。南リオ・グランデ州は、小麦が一五・八%減収したので、少量生産州に後退しつつある。
パラナ州の小麦は、〇八/〇九年の収穫予想が三百十四万トンで安定し、全国一の生産州になりそうだ。
綿栽培はブラジル・プルマ綿の生産が、昨年の百六十万トンから今年百十九万トンに後退した。
ロッシ総裁は「この十年間、六〇%以上の成長を保っている」とし、今年度の収穫予想が悪くないこと強調した。