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仏心寺で「観音様の日」=ロウソクの灯幻想的に

ニッケイ新聞 2009年6月6日付け

 曹洞宗南米別院仏心寺(采川道昭総監)は五月三十日「観音様の日」として、終日法要や関連行事を行った。寺の前では願をかけるロウソクやホットドッグ、「禅」と書かれたTシャツ、交通安全のステッカーなどが売られ、通行人の中には興味深げに足を止めてロウソクを購入し、寺院入口に祀られた観音像に供える姿もみられた。終日通して来場者は途切れることなく、暗くなる頃には供えられたロウソクの灯で観音像が照らし出されていた。
 采川総監によると、仏心寺では〇七年十月から毎月一度、正午から午後一時に参拝者がロウソクに願をかけ観音像に供えた後、分け隔てなく施す無遮施食(アパレシーダ観音施食)を実施している。また、毎月最終土曜日の午後六時から七時半頃まで、同様にロウソクを供えた後、お菓子を施している。
 例年「観音の日」は夜だけの実施だったが、今年から終日行うことになった。始まったきっかけについて采川総監は「今まで一般人に向けては座禅会しかなかったが、地域社会に溶け込み仏教を知ってもらえるように始めた」と話す。
 さらに、ポ語の般若心経にはリズムを付けており、「ブラジル人にとって観音様は聖母マリアのようで、ロウソクを供えて拝むことにはあまり抵抗がない」という。実際、ロウソクを供えるのは非日系のブラジル人が多く、Tシャツを買ったり、住職と話したりする姿が見られた。
 北米への布教経験もあり、〇五年から同寺に勤めている采川総監は、普段は毎日午後六時半から実施している座禅会をしたり、ブラジル内の座禅会グループに招かれたりと、精力的に布教活動をしている。采川総監は「ブラジル人でも信仰している人は真剣です。そのような熱心さは素晴らしく、やりがいがある」と語った。