ニッケイ新聞 2009年6月4日付け
米州機構(OAS)首脳会議は六月二日、キューバの民主化を巡って何ら譲歩も合意もないことでヒラリー米国務長官が退場を宣言、米政府は第三ルートを通じてキューバ国民の便宜を図る方針と三日付けエスタード紙が報じた。
残った三十四カ国代表は、キューバのOAS排除廃止で合意を模索。ブラジル代表が暗礁に乗り上げたOASを収拾するため、キューバ委員会を結成し、共通事項を宣言することでまとめた。
キューバ委員会は、一九六二年のキューバ排除決議を取り消すホンジュラスの「自然融合」案を基に、同国のOAS加盟を明文化しない方法を模索することになった。
委員会は米国やブラジル、ベネズエラ、加国、亜国、ジャマイカ、ニカラグア、メキシコ、ホンジュラス、ベリーズなど十カ国で結成。残る国々は親キューバ派。キューバがソ連の軍事援助で武装化した一九六二年とは事情が異なり、米国も同国のOAS加盟を検討中だ。
ベネズエラやエクアドルなどは、前提条件をつけることなくキューバの即時OAS加盟を主張した。ホンジュラスのセラジャ大統領は、キューバ排除は「いじめ」だと位置付けた。キューバ疎外を四十七年間傍観した国々は、いじめの共犯者だというのだ。