ニッケイ新聞 2009年6月4日付け
事故が起きたエールフランス機唯一のブラジル人乗務員は、父親の葬儀で帰国後、パリへ戻りがてらの乗務だった。関係者の思いは千路に乱れる状況だが、貧しい子供への音楽教育に貢献した指揮者シウヴィオ・バルバト氏も搭乗していたと知ったサンパウロ州ヴァーレ・ド・パライバのクルゼイロ市民は、教え子達による青年オーケストラに、同氏の名前を付けることに。三日にパリのノートルダム寺院で持たれた三宗教による合同ミサには、サルコジ大統領夫妻も出席した。
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一方、ブラジル王家オルレアンス・エ・ブランガサ家で第四番目の王位継承権を持つペドロ・ルイス・デ・オルレアンス・エ・ブラガンサ皇子も衆目を集める乗客の一人。ドン・ペドロ二世の子孫で、ペトロポリスのドン・アントニオ氏夫妻を訪問し、ルクセンブルグに戻るところだった。二六歳の若き皇子の悲報に君主制主義者達は服喪中だという。
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ブラジル人の読書量が増えているが、それに寄与しているが地下鉄構内のミニ図書館。サンパウロ市では〇四年開設のパライゾ駅他、ルス、タツアペ、ラルゴ13、サンタセシリアの各駅にあり、リオ、ポルト・アレグレ、レシフェにも拡大。サンパウロ州都電(CPTM)でも、一日四五万人が利用するブラス駅に開設し、イタイン・パウリスタやオザスコにも増設予定。写真と身分証明書、住所証明を持参すれば、貸し出し証を作ってくれる。
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一日に保育所職員の新型インフルエンザ感染が判明したサンパウロ州カンピーナス市では、一〇日間の休園処置。二日にはリオ州でも二人の感染が確認され、真性患者は二三人になったが、保健相は同日、重症以外は入院の必要なしと発言している。