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サンパウロ州調査=サンパウロ市は高齢者によくない=孤独が人生を萎縮=保健、所得、社会参加基準に=老兵は死なず、消え去る

ニッケイ新聞 2009年5月30日付け

 サンパウロ州政府は二十八日、サンパウロ市が高齢者にとって最悪都市の一つだとする調査報告書を発表と二十九日付けフォーリャ紙が報じた。全州の六百四十五都市でサンパウロ市は、第五百三番目。高齢者に最も快適な都市は、リベイロン・プレット市近郊にある人口六千人のサントアントニオ・ダ・アレグリア市で、百点満点として八十六点を獲得。サンパウロ市は、僅か三十八点。採点基準は高齢初期の六十歳から六十九歳での死亡率と所得の可能性、文化やスポーツなどの機会有無。

 サンパウロ州政府とSeade(サンパウロ州社会福祉局)で、高齢者の生活状況を調査した。高齢者のあり方について、保健行政と社会的保護、社会参加の三面から評価した。
 保健行政は、まだ高齢初期の六十歳から六十九歳での死亡率。社会的保護は、家庭の絆が保たれ経済的に不自由しないか。社会参加は、文化活動やスポーツ、旅行などの団体行事に参加するチャンスがあるか。
 人口が集中するサンパウロ州十大都市の評価は、サンジョゼ・ドス・カンポスが六一・一でトップ。続いて、サントス五〇。ソロカバ四九、リベイロン・プレット四三、カンピーナス四〇、サンパウロ市三八、サントアンドレ三七・九、サンベルナルド・ド・カンポ三五、オザスコ三四・三、グアルーリョス三四・二の順。
 快適な十都市は、サントアントニオ・ダ・アレグリア、アウチノポリス、チエテー、セルキーリョ、アラソイアバ・ダ・セーラ、カーシア・ドス・コケイロス、グアラシ、イタジュ、イチラプアン、ピエダーデ。
 最低都市は悪い順に、ノーヴァ・カンピナ、バロン・デ・アントニーナ、バリニャ、タクアリバイー、リベイロン・ブランコ、ラヴリニャス、サンタクルース・ダ・エスペランサ、ボン・スセッソ・デ・イタラレー、イタペセリカ・ダ・セーラ、クアドラ。
 小都市ほど高齢者の割合が多く、市行政といえば高齢者対策。だが、高齢者には何でも近くにあり、容易に手が届くし、近くにいつも仲間がいる。大都市では皆が忙しく、高齢者を相手にする時間がない。高齢者にかかわっていると、電車に乗り遅れる。
 高齢者が参加できるバイレや体操教室などもあるサントアントニオ・ダ・アレグリアでは、生きる意義を見出して活気を取り戻した人や、新しいロマンスを楽しむ人達も出てきている。