ニッケイ新聞 2009年5月30日付け
音楽界の〃王〃、ロベルト・カルロスの芸能生活五〇周年記念のショー「女性が歌うロベルト」が二十六日にサンパウロ市の市立劇場で開催された。
女性歌手二〇人がR・カルロスの曲を歌うという企画のチケットは、販売初日に一時間半で完売と十三日アゴーラ紙にあり、人気の程が窺える。
一九五〇年代末に歌い始めたR・カルロスは、エラスモ・カルロスやヴァンデルレアと共にCBSに所属し、六一年にLP「あなたに夢中」を販売。ラジオ・グアナバラの番組も担当した。
その後、サンパウロ市TVレコルデで、〃ジョーヴェン・グアルダ〃を三人で担当。人道支援キャンペーンでは、冬は衣類、ナタール(クリスマス)は玩具などの寄付手渡しを望むファンに応じるため、夜通しトラックの傍で過ごしたこともある。
同番組はR・カルロスが六八年に担当を降りた後間もなく中止となったが、五〇年間来の友人であるヴァンデルレアは、今回のショーでも、R・カルロスとエラスモが歌った曲をダニエラ・メルクリイと共演。観客にとり、今回のショーは、R・カルロスだけでなく、彼女始め、ベテラン女性歌手の歌が聴ける絶好の機会ともなった。
二十八日付伯字紙によれば、幕開けはエベ・カマルゴ。大ベテランが口火を切る豪華キャストに早くも沸いた会場では、その後も、ファファー、ナナ・カイーミ、マリーナ・リーマ、ロゼマリーらが次々と舞台に。より躍動的なショーをという狙いで、ボサノヴァからサンバ、ポップ・ロックにブルースなど種々のジャンルに渡る女性歌手が、デュエット二曲を含む全二四曲を歌った。
最後はR・カルロスも舞台に上がり一緒に歌った後、写真撮影。撮影前の様子を見た広告業者が「ここにいるのは皆、名の知れた歌手ばかりなのに、〃王〃の前では皆が興奮し、ただのファンに見える」と言う程、盛り上がっていたようだ。
同タイトルのショーは二〇〇四年にも行われたが、今回は慈善ショーとし、利益は乳がん啓蒙・調査団体「アメリカス・アミーガス」に寄付。CDとDVDが販売される他、ショーの様子は三十一日二三時からグローボ局で放映される予定だ。