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デカセギ問題で高官派遣へ=日伯首脳が電話会談

ニッケイ新聞 2009年5月29日付け

 麻生太郎首相とルーラ大統領は二十七日午後九時半から二十分間電話で会談し、両国の懸案について意見を交わした。
 外務省広報によれば、首相は北朝鮮が今月実施した核実験に対しブラジルが速やかに非難声明を出したことを評価し、ブラジルとも協力して対応していきたいと述べた。
 これに対しルーラ大統領は、北朝鮮の誤った行動を引き続き非難していくとし、今後国連安保理で決議が採択されれば全面的に支持する方針であることを伝えた。
 地上デジタルテレビ放送の日伯方式については、ペルーでの採用を踏まえ、他の南米諸国への普及にも引き続き共同して取り組むことを確認。
 リオとサンパウロ市、カンピーナスを結ぶ高速鉄道建設計画について首相は、同計画を日伯間の戦略的パートナーシップを推進していく上で象徴となる案件と位置付け。両国間の連携が今後も続くことに期待を表わした。ルーラ大統領は日本の優れた技術等に対し前向きな評価を示したという。
 雇用・生活の困難に直面する在日ブラジル人の問題も話題に上り、ルーラ大統領は日本政府の支援策に謝意を述べるとともに、今後ブラジルから政府高官を日本に派遣し、日本側の支援関係者と連携を緊密にしていく意向を表明。麻生首相は政府の支援策を説明し、引き続きブラジル側と協力していく考えを示した。