ニッケイ新聞 2009年5月28日付け
イスラエル政府は二十五日、ベネズエラとボリビアがイランへウラン鉱石を提供したことがベネズエラ外務省の極秘文書から漏洩と発表したことを二十六日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
ベネズエラ政府は、核開発プログラムの一環としてイランへウラン鉱石を提供し、イランが米国による経済制裁を避ける手助けをしていると同政府は指摘した。この機会にイラン政府は、ベネズエラ北部のマルガリッタ島に、ヒズボラとレバノンのシーア派拠点を築いていると非難した。
イラン政府のラテン・アメリカへの関心は一九八二年、キューバとイランが友好関係を樹立してから始まった。その時、イランの視野の中にブラジルも入っていた。
アハマジネジャド大統領が就任して以来、ラテン・アメリカとの関係強化は、米国が膝を屈するため積極的に進められた。ベネズエラとイランは、反米政策で共通の利害関係を築いた。
機密文書の漏洩はイスラエルのダニー・アヤロン副首相が、ホンジュラスで開催された米州機構会議出席の直前に発覚。同会議出席は、イランとヒズボラの南米進出を偵察する目的もあった。