ニッケイ新聞 2009年5月27日付け
大統領選に意欲を燃やすミナス州のアエシオ・ネーヴェス知事は二十五日、ルーラ大統領によるロウセフ官房長官の次期大統領候補推薦が早かったのに関わらず知名度が伸びないのは、長官自身がPT(労働者党)のスケールより小さいのだと批評したと二十六日付けエスタード紙が報じた。
PTがVoxPopuliで行なった調査では、候補確認済みの官房長官は一九%から二五%の支持率であった。まだ候補未確認のネーヴェス知事と競うとロウセフ二一%、ネーヴェス一八%で大差がない。
ロウセフ官房長官は、大統領選に向けてルーラ大統領の後押しや公的行事出席などの機会も十分用意されての知名度だ。徐々に支持率が上昇しているものの、PTの背景を有するには、期待外れの結果といえる。
ネーヴェス知事は先週、「ルーラ後のブラジル」を考えるように、コーヒー関係業者会議で訴えた。同知事は大統領選への意欲を表明して以来、ブラジル全国規模の構想を打ち出している。
PSDB(民主社会党)は二カ月前、同知事に大統領選でセーラ候補の副として打診。パウリスタ大通りでブラジル規模の構想は創れないと、党の進言を断った。
大統領が早くから官房長官を次期大統領に推薦したのは、表舞台に出させて知名度を上げさせるためだが、時期尚早だったと同知事が見ている。現職閣僚の名を売るため、政府目玉政策を宣伝材料にして方針を訴えるのは選挙の常道だが、同知事はそのような材料を使わず党対党で実力の対決をしたいといっている。
PSDBは公認候補の指名論議は時期尚早としているが、年末または来年初のセーラ知事との対決で正々堂々と戦うことを同知事が願っている。
ルーラ大統領三選出馬については、折角ブラジルの歴史に打ち立てた金字塔を大統領自らの手で汚すようなことはしないと見ている。