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新型インフル・ワクチン=ブタンタンでも製造へ=国連の緊急要請に応じる

ニッケイ新聞 2009年5月21日付け

 ブタンタン研究所は十九日、新型インフルエンザ(H1N1)ワクチンの製造開始の意向を明らかにしたと二十日付けエスタード紙が報じた。
 当初は十万服(ドーゼ)規模で始め、国内に同ウイルスが蔓延し始めたら百万服規模に引き上げるという同研究所は、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の指示で、予防ワクチン製造に関する国際保健機構(WHO)会議に出席した少数団体の一つ。国連は、ワクチンを協同体制で製造備蓄し、新型インフル感染が起きた貧困国への供給を確保したい意向だ。
 この提案に新興国企業は協力を約束したが、種々のワクチン供給を独占している先進国の製薬会社は、製造計画や価格、協力の可否を極秘とし、ロビー活動を展開。
 会議ではワクチン製造開始時期の合意も出来なかったが、先進国は再会議への要請も財政的理由で拒否。貧困国へのワクチン確保は重要と考えるブラジルは、WHOへの会議開催費負担申し入れまで行い、会議再開へ率先的に働きかけている。

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