ニッケイ新聞 2009年5月21日付け
アルゼンチンのラプラタで、約七万レアル入りトランクを忘れた客を探して返却したタクシー運転手が、思いがけないプレゼントを受取った。トランク置き忘れ事件は四月の事だが、客からは何の返礼も無しと聞いた広告業者二人が「正直者のタクシー運転手に同額のプレゼントを」と呼びかけたところ、わずか一月で目標達成。サンパウロで同伴者付のフェイジョアーダや選抜チームのユニフォームなども含むプレゼントを受取った運転手は、業者二人を自宅でのシュラスコに招いたという。ちなみに、トランクの持ち主が返礼を考えた時は、寄付の呼びかけがされた後だったとか。
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一方、サンパウロ市で働く清掃員(GARI)のジョゼ・コスタ(通称スセッソ)さんは、十八日の仕事中に二五一五レアルの小切手を発見。四人の子供と借金を抱え、六〇〇レアルの給与で苦闘しているコスタさんだが、小切手を手に持ち主を探している。奥さん募集中でもあるコスタさんの渾名は、いつもニコニコ笑っている事からつけられたという。持ち主探しと奥さん探し、借金返済もスセッソ(好結果、成功)だと良いが。
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十九日未明にサンパウロ市シリオ・リバネース病院に入院し、検査と治療を受けていたジルマ官房長官は二十日午後に退院した。一〇年の大統領選候補だけに、様々な反応も呼んでいるが、ルーラ大統領は二十日、訪問先の中国から、自分の三選は無い事と共に、官房長官が大統領選には出馬すると明言。PT党内では長期休暇を進言せよとの声も出ている様だが、とりあえず今週中の予定はキャンセルなど、業務軽減で終りそうだ。化学療法はあと四回残っており、施療直後は休むなどの配慮が必要となるだろう。