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ペルジゴン・サジア=食品再編でBRF発足=伯版食糧メジャーが=金融面も強い輸出企業へ=アグリビジネスの牽引に

ニッケイ新聞 2009年5月20日付け

 ブラジル版食糧メジャーのブラジル・フーズ(BRF)が十八日、ペルジゴンとサジアの合併によって発足と十九日付けフォーリャ紙が報じた。年商二百二十億レアル、従業員十一万九千人、傘下に四十二処理場を有し、年間輸出高が一〇〇億レアルで、BRFは世界最大の食肉加工会社となった。G1サイトによれば、食肉加工とマーガリン製造においては国内市場の五五%以上を占める。合併交渉は長い時間をかけて検討され、BRFの持ち株はペルジゴンが六八%、サジアが三二%。次は、取引公正委員会(CADE)の承認待ちとなった。

 BRFは十八日夜、合併契約書を交わし、正式に発足した。食品分野では、JBS・Friboiに次ぐ国内二番目。輸出では、ペトロブラスとヴァーレに次ぐ三番目の巨大企業となる。食品業界再編によりアグリビジネスの牽引車と期待される。
 米国農務省統計によれば、世界の鶏肉市場の四〇%をブラジル産が占めている。昨年は三百六十万トン輸出したが、うち両社だけで半分弱の百七十万トンを占めた。
 庶民にとって大型合併は何を意味するのか。業界の寡占化と競争の排除を、消費者は肌で感じるようになる。国際市場では堅牢な企業が誕生したことで、国には外貨獲得で頼りになる。
 一方、サジアは三百五十人解雇、ペルジゴンは八千九百人の集団休暇を公表するなど、合理化に伴う失業者増加を危ぶむ声も大きい。
 サジアといえば、金融派生商品による損失が、合併への起爆剤になったようだ。ライバルであった両社が合併に至るには、リーマン・ブラザース破綻による金融危機があったといえそうだ。
 輸出企業にとって輸出金融は、生命線であった。それがサジアの場合、ドル防衛で失敗した。
 金融危機でレアルは、三〇%も暴落した。サジアは二十六億レアルを失い、財務担当役員や責任者多数をクビにした。フルラン元産業開発相は古巣に戻り、サジア回生の舵を取った。そして採った策が、ペルジゴンとの企業合併であった。
 両社の合併は、Cadeが承認するまで凍結状態に置かれる。これまでにCadeは、GolとVarigやペトロブラスとイピランガ、コカコーラとマテ・レオン、AmBevとCintraの合併を認めた。
 連邦令によれば、合併する一方の企業が年商四億レアル以上を有する場合、または合併によって市場シェアが二〇%以上となる場合、Cadeの合併承認を要するとなっている。