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北伯、北東伯=極乾燥地でも避難者出る=食料配布現場で奪い合いも=水害後の疾病患者も急増

ニッケイ新聞 2009年5月20日付け

 四月初旬からの雨で被害拡大中の北、北東伯では食料や医薬品不足が深刻で、水害に起因する疾病患者も急増している。
 十六日付フォーリャ紙によれば、灌漑施設構築に補助金も出ているセアラ(CE)やマラニョン(MA)、ピアウイー(PI)、ペルナンブコ(PB)の乾燥地でも洪水。少なくともここ二五年、洪水はなかったと言う人が居る位の地域だ。
 MAのトリジデーラ・ド・ヴァーレでは腰まで水に浸かって生活する人達が居り、食事、洗濯も溢れた水の中との記事は十五日付エスタード紙。メアリン川水位は徐々に低下ともあったが、それと共に、肝炎やレプトスピラ症、デング熱、下痢などは増加する。
 十九日付同紙報道では、現在も市の九〇%が冠水している同市の病院での診察数は、三〇日間に六八〇〇件。通常は月二二〇〇件程度だから三倍で、隣のペドレイラスも同様だという。
 入院施設不足は期間短縮で対応の同市だが、MAでの家の倒壊や浸水による自宅外生活者は一一万六〇〇〇人、被災者総数は三三万八〇〇〇人で、食料不足も深刻化。食料配布には各地で長蛇の列が出来る他、空軍ヘリコプターの傍で食料の奪い合いが起き、一時配布停止の所もある。
 また、水害被害者が昨年比九〇%増で、自宅外生活者一万八〇七三人というPIの被災者数は九万人超。バイア州では、十八日のサルバドールだけで土砂崩れ一三八件を含む三六八件の被害届が出された。
 最近は北東伯の記事が多いが、北東伯の死者は十五日現在四一人。〇八年十一月のサンタカタリーナ州での一三五人は下回るが、自宅外生活者は同州の七万九〇〇〇人を上回る二六万人超。十九日にはマナウスのネグロ川増水は約三〇メートルに到達との報道もあり、北伯の被害も拡大中だ。
 支援キャンペーンはMA、CE、PIで行われているが、支援物資輸送には手段確保が困難で、現地に届く支援物資は一部にしか過ぎない。
 電気も無い避難所多数で農業被害も未算定。一二州で一〇〇万人以上を巻き込んだ水害被害は、北東伯では一〇億レアルとの九日付エスタード紙報道を上回る事だろう。