公文書を一般公開へ=軍政の機密文書が焦点に
ニッケイ新聞 2009年5月15日付け
政府は十三日、軍政時代の公文書を秘密度に応じて一般市民へも公開する包括案を上程の意向と十四日付けエスタード紙が報じた。秘密文書の封印期間は二十年から十五年に、極秘文書は三十年から二十五年に短縮され、永久に葬られることはない。
同案はこれまで封印された情報や覚書、一九六四年から一九八五年の軍政時代における極秘文書発掘への糸口となる。さらに寡占密室政治の終焉にもつながる。
そこで問題になるのは、軍部が隠蔽した極秘文書の行方が不明であることだ。当時の関係者は、焼却を公式に表明。その焼却に関する登録さえ、闇に葬られた。官房室は十三日、軍部による文書隠滅に関する調査委員会を設置した。
サンパウロ州検察局は、元軍属が軍政時代の全公文書は手渡し済みと声明を発表したことで、最近発令された特赦法適用の申請書類の引渡しをも要求。検察局は、隠蔽や消却した公文書発見の手がかりを探している。
検察局は、協力者に匿名保障をする。協力を拒否した場合は、裁判所へ告訴する。個人の尊厳や生命を脅かすような公文書以外は、サイトに掲載する方針のようだ。
文書公開には軍政に対する報復を考慮し、政府内でも抵抗があった。公開に踏み切った経緯にNGO(非政府団体)「ガラス張りのブラジル」から報道規制の小細工に断を訴える要請があった。
国民の知る権利は連邦令に明記されているが、今回は方法が制度化された。同案が議会で承認されても、国家の安全保障や経済の破綻に関わる一部の極秘文書は一般市民に公開されない。
三権にはそれぞれ公文書委員会が設置され、インターネットに掲載されていない文書の申請は、三十日以内に応じる。文書が届かない時や、受け取った文書に欠落や捏造がある場合、上司にその旨通告する。