ニッケイ新聞 2009年5月15日付け
万年筆や腕時計、野球帽に装填された小型カメラや盗聴器のような旧式のものは、インターネットや衛星システムなどを活用した最新式機器の普及により、完全に過去のものとなったと十四日付けヴァロール紙が報じた。
応接間の置物やDVDプレイヤーにカメラを装填し、隣人や知人が自宅へ侵入し窃盗を働いているのを撮影した例は珍しくない。多くは中国からの密輸品だが、瞬く間に完売するという。
いまや盗聴盗撮設備の氾濫は、度を越している。盗聴許可を裁判所へ申請する義務を知らない者さえいる。いまは暗号方式が導入され、盗聴が廃れつつある。米情報局は毎年二千人のスパイを養成したが、今は百五十人で十分だそうだ。
盗み撮りのプロは宇宙衛星を使う時代になり、万年筆や腕時計、野球帽などに仕込んだ旧式機器はかえりみられない。