ニッケイ新聞 2009年5月14日付け
ジルベルト・カサビ市長はサンパウロ市・大阪市姉妹都市提携四十周年を記念して十二日から訪日している。カサビ市長は十三日に皇太子殿下に謁見し、皇太子殿下は昨年の百周年で来伯された折のサンパウロ市民の熱烈な歓迎を感謝した。また、同市長は国際協力機構理事や東京都の石原慎太郎知事とも会談し、今後の交通機関のあり方などに関して意見を交換した。さらに都心と羽田空港を結ぶモノレールを視察し、このシステムを参考にした交通機関をサンパウロ市に導入する検討をしていることを明らかにし、エスタード紙などが大きく報道した。
サンパウロ市広報によれば、カサビ市長は十三日に皇太子殿下に謁見した。皇太子殿下は、昨年の来伯時にサンパウロ市民から熱烈な歓迎を受けたことへの返礼の様子であったと言う。
カサビ市長はその時の様子を「我々は常に扉を開け合って、両国の関係をより緊密にし合うことを確認した」と語った。飯星ワルテル伯日議連会長、ルイス・カストロ・ネーベス駐日大使らも同席した。
その後、JICAの松本有幸理事と面談し、環境や交通問題解決へのさらなる協力の申し出を受けた。広報によれば、同市長は「サンパウロ市への東京のモノレール方式導入などについての話に関心を持ってくれたようだ」との印象をもった。
十三日付けエスタード紙によれば、一九六四年から東京―羽田空港間で運行されているモノレール・システムは、チラデンチス急行(Expresso Tradentes)の延長線のモデルとして検討されている。同市長は今回、実際に試乗して確かめた。
現在、ドン・ペドロⅡ駅からヴィラ・プルデンテ駅が運行されている。その先、サンマテウス駅までを東京のモノレール方式で第一期工事として来年末までに施行する。その間に十三駅を作り、毎日三十万人を運ぶ。
第二期工事(二〇一二年まで)ではシダーデ・チラデンテス駅まで同方式で延長する予定だ。
モノレール完成に必要な建設費として、市が約十億レアルを、サンパウロ州政府が十三億レアルを投資する見通しだ。エスタード紙によれば、カサビ市長は、「いかに早く州の資金を使えるようにできるかが鍵だ」とコメントしており、実現に向けて強い意欲を見せている。
同日最後に、石原都知事と面会し、モノレールなどの都市交通に関する協力関係を強化するなどの意見を交換した。