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サンパウロ州政府=財源捻出で31空港管理委託も=公共工事推進のために=金融危機の歳入減補う=大統領選への成果作り?

ニッケイ新聞 2009年5月13日付け

 サンパウロ州政府は十一日、二〇一〇年年度公共工事の財源捻出のために新たな権益委託を行なう意向を表明と十二日付けエスタード紙が報じた。民間企業に管理を委託するのは、リベイロン・プレットやサンジョゼ・ド・リオ・プレットなど三十一空港の整備とシステムの向上など。そこで得られる管理費を、タモイオやモジ―ベルチオガ、オズワルド・クルースなど海浜地域の州道改善と増設にまわすという。州は公共工事予算として二〇〇九年に二百億レアル、二〇一〇年に二百四十億レアルを計上している。ただし、四月末で、累計十三億レアルの減収になったことをセーラ知事は遺憾とした。

 現州政府の民間企業への管理委託は、これで三回目。セーラ知事は道路でも空港でも名前がつき次第、管理を委託するようだ。管理委託は宝の山、州財政が益々豊かになる。但し、手続きに時間のかかるのが難点。
 管理委託計画に空港が加えられたのは、初めて。新たな権益委託で、州はインフラ設備を改善し、交通網を整備する考えだ。特に地下鉄の増設や鉄道網の近代化、州間道路の拡張は、州行政を宣伝するショーウインドウのようなもの。
 金融危機の影響は四月、サンパウロ州財政にも影響が出てきた。今年四月までの歳入は、予想より悪く昨年同期比減となった。そのため州政府は、全員で資金捻出に奔走。特にセーラ知事は、来年の大統領選に向け点数稼ぎをする必要がある。
 州政府は今年中、公共工事のため二百億レアルを調達する。ヴァレ・ド・パライーバとカラグアタトゥーバを結ぶタモイオ、モジとベルチオガを結ぶモジ―ベルチオガ、タウバテーとウバトゥーバを結ぶオズワルド・クルース、その他地方の短距離州道など。
 空港の管理民営化は初めての試みであり、立案を急いでいる。州政府は現在、州空路公団により三十一空港を管理している。取りあえず四半期に九万七千人が利用するリベイロン・プレット空港と六万五千五百人が利用するサンジョゼ・ド・リオ・プレット空港の管理を委託する考え。州は三十一空港を五ブロックに分けて、管理委託を実施する予定だ。
 ロドアネル(大サンパウロ市圏環状道路)は、これまでの管理委託で九億八千八百万レアルを入手した。これが完成すると、二年毎に二十億レアルの契約金が州へ入る。
 州財政強化のために州立貯蓄銀行(ノッサ・カイシャ)は、五十三億八千万レアルで身売りされた。さらにサンパウロ州電力(CESP)も六十六億レアルで、売却を試みた。しかし、契約期間が不明瞭なため失敗した。