ニッケイ新聞 2009年5月7日付け
四月初めからの雨で北伯、北東伯での被害が広がる中、五日にピアウイ、マラニョン両州を視察したルーラ大統領は、被災者支援を約束すると共に、支援金給付には具体的な被災状況報告や復興計画提示を求めたと六日付伯字紙が報じた。
同日付フォーリャ紙によれば、北東伯では五日現在、マラニョン州八人を始め、セアラ州七人、バイア州五人、アラゴアス州四人、パライバ州二人、ペルナンブコ州一人の死者が出ている他、浸水や家屋倒壊などで避難所や知人等の所に身を寄せている被災者は、一三万七八四七人。被災者ゼロはセルジッピ州だけで、未集計の市も含めた実数は拡大するはずだ。
また、エスタード紙によれば、アマゾナス、パラー、マラニョン、ピアウイ、セアラ、バイアの六州での被災者は、四八万三〇〇〇人という。
特に深刻なのは、非常事態宣言も出たマラニョン、ピアウイ両州だが、一八四市中五九市で被害のセアラ州も非常事態的状況。ピアウイ州テレジーナでは、五日から市内全域で休校となった。
また、北東伯と北伯を結ぶ国道や州道の被害は数百キロにわたり、流された橋の替わりに船で渡る必要のある所もある。
広域水害は毎年の事だが、今年は、四日だけで五月分降水量の一五%が降ったサルバドールや、一月からの降水量が年間予想量を超え、ポティ川も過去最高の一四メートル上昇のテレジーナなど、平年以上の強い雨で被害が拡大している。
一方、被災地視察後、知事や市長と会合を持った大統領は、具体的なプロジェクトを提出しなければ政府からの支援金は出ない、と釘を刺した。
ピアウイ州の会合で、政府支援嘆願書に具体的項目や金額を明記したのがテレジーナ市長だけという実態故の発言で、知事や市長に具体的な復興計画などの提出を求めると共に、大統領自身は、関係閣僚に被害実態の取り纏めや医薬品供給の指示も出したという。
サンパウロ市ではテレジーナ市への衣類や食料品、マットレスなどの支援を決めているが、同市への寄付はブラジル銀行のPMTEnchentes2009(支店番号3791―5、c/c7720―8)で受付け中だ。