ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
議員の旅費を規制=今後の出張は公用のみ
ニッケイ新聞 2009年4月24日付け
テメル下院議長は二十二日、議員の旅費割り当てに関する下院執行令が約九年前に制定されているに関わらず、国会議員の乱用が目にあまることで新たな規定を設けたことを二十三日付けエスタード紙が報じた。
執行令四二号の新規定によれば、議員の旅費は妻と被保護者、側近は第三者が保障する場合にのみ許され、親族や友人は本人の負担とする。適用範囲は公用であれば国内は無制限、国外は第三者の保障を要する。
経費として認められる旅費は規定内とし、未使用分は国会へ返還。私用と親族、友人の費用は本人の負担。出張費用の明細は、サイトで公表する。これまでのヴァーレ・トゥード(無礼講旅行)は、廃止となった。
サルネイ上院議長は、上院も下院決議に沿うことを公言した。出張費明細をサイトで公表する。上院の場合、施行部メンバーと党リーダーには特別経費が許される。
テメル下院議長は、二十一日までの違反を不問とした。新規制への不満の声は、下院に充満。登院のため愛人を同伴し、ホテルに投宿するのも問題視されるようになった。
下院議長は「若者の間では現在、国会とは詐欺師や怠け者、ゴマすりたちの溜り場だとの考えが蔓延っている。それは国会議員の頽廃振りが度を越しているからだ」と警告した。
各議員割り当ての国外旅費を貯め、一族郎党を引き連れて大名旅行を計画する議員もいたが、新規定では禁じられた。今後は使わなかった旅費は返還することとなった。
全国弁護士協会(OAB)は、ブラジルの誤った習慣を矯正する新規定であると歓迎。議員旅行は公用であること。費用は明細を発表すること。これは綱紀粛正の要点だとブリットOAB会長が声明を発表した。