ニッケイ新聞 2009年4月21日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)で十五日、南米速成塾研修会の閉講式が行われた。十日に始まった研修会には、ブラジル、ボリビア、ペルー、アルゼンチンほか、日本生まれの教師たちも参加。第九回目となる卒業生十二人に修了証書が授与された。
デカセギ向け日本語速成塾の教師養成を目的とした同研修。今回は南米で日本語教師の経験をもつ人を対象に行われ、社会人向け短期講座(約六十時間)での効率的な日本語の教え方、教材の使用方法を学んだ。デカセギが日本での生活に苦労しないよう、事務的な手続き・メニューの注文の仕方などを場面ごとに教えられるようにする。
同研修では、「語学だけでなく日本文化をも教えることが重要」とし、上司に注意された際の謝り方、和式トイレの使い方なども指導内容に含まれている。デカセギの日本での問題を理解した上で指導できることが必要となる。
パラグアイから参加した広瀬ナターリアさん(19、東京出身)は「初めて教授法を勉強できた。他の南米からの研修生と共に学習できて楽しかった。また参加したい」と話す。ペルーからの参加者伊禮ナディアさん(23、静岡出身)は「速成塾の教材は便利で、教師としても使い易い」と感想を語った。ナディアさんはペルーに戻り、いちご文化協会で教師を続ける。
閉講式には研修生はじめ、谷理事長、丹羽義和事務局長、教師三人のほか、速成塾を後援する人材派遣会社フジアルテ、トーコーから四人が出席。式の中で丹羽事務局長から、「夢と希望を持って生徒を集めていこう」と卒業生へエールが送られた。今後十二人は各国へ戻り、日本語速成塾の普及に努める。