ニッケイ新聞 2009年4月18日付け
サンパウロ市南部のサンバ学校で十六日、襲撃計画実行のために集まったと思われる首都第一コマンド(PCC)のメンバー一八人を逮捕と十七日付ブラジル字紙が報じた。
逮捕劇が起きたのは、アグア・フンダのサンバ学校バロッカ・ゾナ・スウで、匿名通報後、巡回機動隊(Rota)を加えた軍警隊が一斉に踏み込み、校内外の二四人を連行。六人は無関係と判断され開放されたが、残る一八人は、集団犯罪計画のかどで逮捕された。
匿名の情報には、サンバ学校にPCCのメンバーが集まり、サンパウロ州南部の海岸部襲撃の準備をするとの知らせと共に、メンバーの使う車の情報も寄せられていた。
情報を受けて現場に急行した軍警は、現場到着後、情報通りの車の存在を確認。Rotaの応援を得て行動を開始した。
学校前に止めた車の中にいたメンバーは、車での逃走も試みたが、警察車両に阻まれるなど、取り押さえられた二四人が全員取調べを受けた。
逮捕者の中には、警官に一万レアルを渡して見逃してもらおうとした者もいた他、偽の身分証明書携行者も二人いたという。押収された車は盗難届なども出ておらず、銃器類も押収されていない。また、踏み込んだ時点で到着していなかったメンバーも居る可能性もあり、誰が襲撃計画のリーダーかは不明としている。
押収物件の中には、サンパウロ州海岸部のイタニャエン市の襲撃目標を示す地図もあり、イミグランテス道に近く、海岸部襲撃に都合の良いサンバ学校が、集合場所に選ばれたようだ。
一方、サンバ学校が集合場所に選ばれたことに関連し、PCC関連の事件で名前が上がったことのあるサンバ学校などをエスタード紙が列記。
〇五年四月に犯罪者の電話盗聴で名前が上がったヴァイ・ヴァイやガヴィオインス・ダ・フィエウ、〇六年十一月に役員が逮捕されたインペリオ・デ・カーザ・ヴェルデは、スペシャル・グループの名門。多くの庶民が集まるサンバ学校が、麻薬の温床となり、PCCの資金調達源の一つとなっている可能性も否定できない。