ニッケイ新聞 2009年4月17日付け
本門仏立宗日教寺の第十八回慈善バザーが五日、サンパウロ市ジャルジン・ビラ・マリアーナ区の同寺で行われ、約四千人が訪れた。特にお昼時間は百五十席もある特設食堂や野外特設会場がいっぱいになり、婦人部の料理などに舌鼓を打った。
総代を十九年間務め、寺の建設に尽力した桜庭喜太郎さん(90、秋田)は「ここは三十五年前、電気も水もないただの原っぱだった」と周囲に立ち並ぶ高級アパートを指差し、感慨深げな表情を浮かべた。四〇年代からの信徒で、当時、健在だった笠戸丸移民の茨木日水上人のことも良く憶えているという。
ブラジル教区理事長の片木エルシオさん(58、二世)は、「売上から、建立中のモジのお寺の本堂を支援したり、日教寺のボランティア・グループ菩薩の活動資金などする予定」という。
同寺内で運営されているサンパウロ自閉症療育学級の青空学級(PIPA)も屋台を出して、秋刀魚の塩焼きや餃子を販売。菊地義治代表は「このような共同作業を通して、生徒の父兄の交流にもなる」と喜んだ。
「毎年楽しみにしている」という上野博さん(77、鹿児島)はバザー参加十八回目。毎朝六時からのお勤めに欠かさず参加する北村章さん(83、香川)=ジャパクアラ在住=は「毎朝四時に起きてバスに乗ってきます」と元気に笑う。
日教寺の原敏晴理事長(67、二世)は「バザーの準備は婦人部や青年部が週始めからやっていた」という。婦人部自慢の焼きソバやうどんは、それぞれ一千食も出るという。「年二回のバザーが寺最大の行事。九月のバザーの利益は日系福祉団体などに寄付する」と語った。