ニッケイ新聞 2009年4月14日付け
第五回農業婦人大会(ブラジル農業拓殖協同組合中央会主催、飯田正子大会委員長)が三月二十四、二十五日の両日、リベルダーデ区のホテルで行われた。サンパウロ州内を中心にパラナ州、南マット・グロッソ州、ミナス・ジェライス州、サンタカタリーナ州、また隣国ボリビアのコロニア・オキナワからも三人が参加し、各地婦人部などのリーダー約四十人が集結。和気藹々とした雰囲気で互いに学び、横の繋がりを深めた。
同大会は農協婦人部連合会(ADESC)共催、国際協力機構(JICA)の助成を受けて開催された。二十四日午後一時から行われた開会式には、近藤四郎農拓協会長、千坂平通JICA聖支所長、木多喜八郎文協副会長、JATAK農業技術普及交流センターの広瀬哲洋所長らが出席。それぞれ、「女性ならではの経験を交換し合って充実した二日間にして欲しい」とあいさつした。
一日目はまず、美容師の比嘉ルシアナさん(35、四世)が講演した。「女性はいつまでも美しさを保つことで毎日楽しめる。そうやって人生を笑顔で過ごして欲しい」。母親が美容師だったことで美容に関心の高い環境で育った自身の生い立ちなどを話し、実際にはさみを取り、全員が見守るなか慣れた手つきで参加者二人の髪の毛をカットした。
比嘉さんの付き添いの男性も参加者をモデルにして化粧をしてみせた。プロの色選びや筆づかいに見入り、化粧水やクリームの塗り方を質問したりと、積極的に多くを学んでいた。
続いての講演は、女性初のリベルダーデ・ロータリークラブ会長として活躍する前田スエリさん(48、三世)。
現在前田さんは、三人の息子を持つ母親でありながら、車販売会社のマネージャーでもあるキャリア・ウーマンだ。
しかしその活躍の裏には、七歳のときに始めたフェイラでのレモン売りの経験や、靴磨きの経験がある。「いつもいつも、稼いだら貯金しなさいと言われ実行してきた。今の私は母の言葉のおかげ」。
初の同クラブ会長に就任し「女性でもできることを証明できるように」などと話のはしばしに芯の強さをうかがわせた。最後に、前田さんを片親で育て、さらに孫の子育てにも協力してくれた母親の存在の大きさに触れ、締めくくった。
「女性の成功の話を聞かせてもらい光栄」とボリビアから参加した比嘉シズエ・アンジェラさん。社会の中で活躍する女性のさまざまな形を学び、また励まされたようだった。
一日目の最後は交流夕食会が開催され、それぞれ各地で活躍している仲間との出会いと再会に、楽しいひと時を過ごした。 (つづく)