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聖週間って、一体何?=玉子やウサギに魚料理=連休の旅行には注意!

ニッケイ新聞 2009年4月9日付け

 十日からの連休のため、道路警察や消防が九日から特別体制に入ったが、パイション、パスコアも含めた聖週間とは一体何なのだろう?
 カトリック信者の多いブラジルでは、聖週間(セマーナ・サンタ、受難週)初日の五日(棕櫚の主日)には、木の枝を手に道を練り歩く光景があちこちで見られた。
 暦には、聖週間やカーニバルなど、復活祭(パスコア、イースター)を元に日付が決まる日があるが、復活祭は三月二十一日の後の最初の満月の日の次の日曜日で、復活祭直前の週が聖週間だ。
 初日の棕櫚の主日は、イエス・キリストが十字架に架けられる前、子ロバに乗ってエルサレムの町に入る時、喜んだ民衆が、木の枝や上着を道に敷き、「ホサナ!」と叫びながら迎えた故事に因むもの。別名「枝の主日」で、木の枝や葉を手に歌いつつ練り歩く人々もいる。
 以下、聖月曜日は宮潔めの日、聖火曜日は教えと論争の日、聖水曜日はベタニアの日または香油の日と呼ばれる。
 また、最後の晩餐で知られる聖木曜日は、キリストが弟子の足を洗い、互いに愛し合い、仕え合うよう教えた故事から、洗足の木曜日とか愛の戒めの木曜日と呼ばれる。
 最後の晩餐後に逮捕され、裁判にかけられたキリストが十字架に架けられた受難日がパイション(金)で、聖土曜日は暗黒の土曜日と呼ばれる。
 この暗黒を吹き払う復活を祝うのが復活祭で、命の象徴である卵をゆでて飾ったりする習慣が、卵型チョコなどの起源。ウサギは、古来から卵同様に豊穣の象徴で、ウサギが卵を隠すとの伝承から、色付けした卵を隠して探す習慣の国もある。
 また、復活祭の四六日前、灰の水曜日に始まるレント(四旬節)には、肉や卵、乳製品などを断ち、祈りに励む慣習があり、断食終了の記念に卵を食べるとの説もある。聖週間には魚という慣習は、肉断ちの慣習が一部残ったものだろう。
 受難日にはキリスト像と十字架を掲げた行進、ユダ人形の焼き払いなどの他、劇や映画、聖地アパレシーダ巡礼など、聖週間特有の行事も多い。
 これらの行事や連休利用の旅行に際しては、自動車事故や飲酒などによるトラブルへの警告も発せられている。