ニッケイ新聞 2009年4月8日付け
Anfavea(全国自動車工業協会)は六日、IPI(工業税)減税による景気対策が効を奏し、三月の自動車生産が平均で前月比一五・九%増と順調に伸び、それに伴い粗鋼やプラスチック、塗料、繊維、ガラス、ゴムも一部が回復の兆候を見せたと発表したことを七日付けフォーリャ紙が報じた。三月の自動車生産が二十七万二千三百七十一台に達したことは、国内市場が健在であることを示している。しかし、投資が伸びていないので景気回復の保証は、まだという見方もある。
Anfaveaのシュナイダー会長は「IPI減税を年末まで延ばしたことは、政府にとって二十五億レアルの損失になるが、お陰で〇九年上半期の自動車生産は、昨年と同水準を保てる見通しだ」と述べた。
自動車てこ入れによる反応は、予想より早かった。三月の自動車販売は、平均で前月比一七・六%増も伸びた。車種により発注は顕著に伸び、部品製造業者への納品催促も気合が入り、往年の緊張感さえある。
鉄鋼業は〇九年、粗鋼生産が一〇%まで落ち込んだ。現在は粗鋼の生産工程が平常へ復帰。
即時反応をするのは、車両用塗料だ。自動車組み立て業は現在、カンバン方式を採り在庫ゼロ・システムなので、塗料は即納で対応している。
自動車用プラスチック部品の注文が入りだしたことで、同業界は干天の慈雨だという。自動車用部品を扱う企業は、集団休暇を中止。従業員も一、二月とは、打って変わり生き返った思いだ。
一方アナリストは、十二月の工業生産前月比一二・七%減を底打ちと見ている。奈落の底への落下は止まったようだ。自動車が動き出したので、その周辺から徐々に牽引されると見ている。反面取り残されたのは、食品という見方だ。
FGV(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団)は、自動車部品業界は三月、在庫整理に奔走したが、まだ在庫過多という。そのため投資には、まだ時間がかかり、本格的回復には今一つと見ている。